旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

勉強会の情報

先日開催されたP2P勉強会の中で出た、有用そうな話題をまとめた資料を作成していたら……ほとんど議事録になってしまいましたので、開き直って議事録として公開します。P2P勉強会に参加された方は当日の復習に、そして運悪く参加できなかった方はインターネット上で公開されているプレゼン資料と併せてお使いください。

なお、この議事録をお読みになる際は以下の点にご注意ください。

  • 講演の内容は、編者の判断で一部検閲、修正しています(インターネット上で公開された資料にない部分が主な対象です)。
  • 編者による追記は脚注として示しました。
  • 質疑応答のQは質問、Aはそれに対する回答、そしてCはコメントです。質問者の名前は伏せてあります。

P2P勉強会Wikiで公開したほうが良いかとも考えたのですが、ひとまずここでオリジナルを公開することにしました。加筆・修正などの提案がありましたら、コメント欄または個別にメールでご連絡お願いいたします。

目次

ユーザ側から見たP2Pの現状(P2P today管理人 横田氏)

▼勉強会告知での紹介文

ユーザが感じているP2Pの現状と問題点を説明します。

▼関連サイト

▼講演内容補足

  • P2Pは革新的な技術だけにそれ自体に対して懐疑的であったり、理由も無く反対する人もいる。そのような人に対しても説得できるようなシステム、ビジネスモデルを形成する事が大切であり、引き続きP2P技術について啓蒙する必要がある。

▼質疑応答

  • Q)ユーザはソフトを使えさえすれば良く、バックボーンの仕組みに興味はない。P2Pであることをユーザにアピールする運動に意味はあるのか?
  • A)(講演の中で取り上げられたSkypeに触れて)一般のユーザは音質が良くて簡単なアプリだからSkypeを使っているが、それが実現できているのはP2Pだから。それを分かって欲しい。
    また、最近CNet Japanで話題になっている「あちら側、こちら側論争」がある*2。現時点では、潤沢な資源を持っていなければGoogleGmailのようなサービスは提供できないが、今後は一般のユーザがP2Pを使ってサービスを提供するケースが出てくるのではないか。
  • Q)ユーザではなくて企業に訴えるアプローチもあるのではないか?(例:コスト削減) 一般向けと企業向けのアピール、どちらを優先すべき?
  • A)(時間がなかったため、未回答のまま終了)

オーバーレイネットワークとIPネットワークの狭間で(亀井氏)

▼勉強会告知での紹介文

P2P技術は下位のIPネットワークを隠蔽できるという点で大きなメリットを持つが、IPインフラとの共存を図ることによって、さらなる発展を狙うという方向性も考えられないだろうか。本発表ではこのような問題意識からの課題整理を試みる。

▼関連サイト

▼講演内容補足

この講演については資料が非公開だったため、差し障りのない範囲で内容の一部を紹介します。(2004/09/12追記:現在はdigest版が公開されています。)

  • オーバーレイネットワーク
    • 固定ノード:ルータを置き換えるにはコストがかかる場合に、固定のノード間で仮想リンクを確立してルータの代わりにする。昔はこちらが流行りだった。(マルチキャストを実現するmbone、IPv6を実現する6bone、AkamaiによるCDNなど)
    • 動的ノード:最近のP2P技術はこちらに含まれる。自律性を持つエンドホスト・オーバーレイネットワーク。
  • 国内ネットワークの階層構造
    • アクセスプロバイダ
    • インターネットプロバイダ
    • 中継系のプロバイダ(大きなインターネットプロバイダはこれを兼ねる)
  • プロバイダ間の課金の仕組み
    • トランジット:従量課金
    • ピアリング:同規模のプロバイダ同士がIX等で相互接続。無料なことが多い。*1
  • ボトルネックの遷移と、それぞれの段階での対策
    • Web以前:ネットワークの広域化
    • Web以後:データセンタの発展
    • ブロードバンド以後:CDN技術の発展
    • P2P以後:規制?
  • 現在のトラフィックは恒常的なものなのかが不明。これは、今後のネットワーク設計をどうすべきかを左右する問題。
  • アプリ毎のトラフィック制御を行う製品
    • ソフト制御(軽い):法人ユーザ向け PacketShaper
    • ASIC(ハードで):ISP向け P-Cube,Ellacoya
    • プロトコル解析:One Point Wall
  • フロー制御:技術的に筋が良いが、利用者に説明するのは難しい。また、フローベースルータはまだ1社(Caspian Networks)しか提供していないので値段がこなれていない。
  • 国内インターネットはC/S (Web)に過剰適応している。
  • 帯域やトラフィックの課題についてはP2Pアプリケーション普及時に共倒れにならないよう、例えば下位レイヤとのやり取りだけでも標準化することが有効ではないか。

▼質疑応答

  • Q)フロー制御の製品名は?
  • A)Caspian NetworksのApeiro

><

  • Q)今回の講演で取り上げた問題は、ネットワークが多重構造になってることが原因に見える。仮に、プロバイダがNTTとYahooだけになったら問題は解決する?
  • A)P2Pが最も弱いところを使い切るという構造自体は多重構造でなくなってもかわりない。したがって、表には見えないところでやはり同じ問題は発生する。

><

  • Q)昔のISDNのように「(帯域制御の)設備が整ったときには時既に遅し」、という可能性も?
  • A)その可能性はある。
  • Q)今のP2P帯域問題はWinny等で動画配信(垂れ流し)していることが原因だが、P2P掲示板のようなテキスト配信が普及した場合もISPやIXには同じ問題が出てくる?
  • A)原理的には同じ問題が起こるはず。ただ、トラフィックの立ち上がり速度に対して、バックボーンの増設速度(同じ値段で張れる帯域の回線料)が追いつく程度ならば大丈夫。

*1:変わったケースでは、ソフトバンクはBBIXへの契約者に対してYahoo!BBとの無条件ピアリングサービスを提供しています。参考:BBIX株式会社 > サービス

P2P掲示板「新月」のプロトコルとデータ構造(「新月」開発者 Fuktommy氏)

▼勉強会告知での紹介文

新月」は書き込みを積極的に送信・中継することで内容を広めていく。ファイル構造が単純なので、参加者は気軽にキャッシュを削除することができる。こうしてネットワークが最適化されていく。このような仕組みについて述べる。

▼関連サイト

▼講演内容補足

  • (「はじめに」の前に、新月を理解するためのアドバイスとして)何故「新月」を作るようになったか、という背景が分かるとプロトコルの全体的なイメージが掴めるのではないかと思う。
  • P2P掲示板の、書き込みの伝播方法
    • 新月:ブロードキャスト
    • WinnyBBS:各スレッド毎にサーバを立てて、そこに接続する
    • RinGOch:(解説文書によると)リクエストがあった時に取りに行く。ブロードキャストとは違う
  • (書き込みの伝播(6)にて)書き込みがあったノードと同じように振る舞うのは、誰が発言したのかをわかりにくくするため。「発言者が特定されないようにする」
  • アプリケーション層の本質は、キャッシュファイルのデータ形式。「削除信号」のページにある例で言うと、name:で始まる行以下の部分。
  • 新月の本体はライブラリ
    • 新月P2P掲示板と名乗っているがその本体はライブラリみたいなもので、その上には複数のアプリケーションを乗せることができる、というのが当初からの考え方。
  • 新月の野望 → RFC
    • RinGOchは、アプリケーションを良い物にするためにプロトコルをバンバン変えてる。
    • 逆に新月は、プロトコルは固定しておいて、アプリケーションは使える物は使う。JXTAのような方向に寄りたい。*2

▼質疑応答

  • Q)データ補完の方法について質問。新月幅優先探索のようだが、全てのノードを探索するのか?((参考:幅優先探索))
  • A)ある程度探したら諦める。
    何故このような動作をしているかというと、「記事を気軽に削除できる」ことに関わっている。DHTのような方向で、例えば「RinGOchのスレは○○さんが持ちなさい」という形にすると、「私はRinGOchなんか嫌いだから削除しちゃうよー」なんて気軽に削除できない。*3
    それは辛いので、みんながデータを均一に持つようにしている。そうなると、幅優先探索になる。
  • Q)幅優先探索だと新月のユーザが増えたときに、ネットワークの端から端まで書き込みが伝わらないのではないか。
  • A)伝わると……思いますけどねぇ。それほど現実的な状況ではないのでは。誰かしら繋いでますよ、多分。
  • Q)その証明が出来てないのは大丈夫なのか。
  • A)ダメでしょう。証明は多分できないと思いますよ。
  • Q)そうなると、削除信号でも同じ問題が起こって、削除してコピーして削除してコピーして……といつまでたっても削除できなくなるのでは。
  • A)削除したというのは覚えているので、多分大丈夫。削除信号が伝播しないのは逆にいいことがあって、「なんで削除しないんだ」と怒られたときに「削除信号が届かなかったから削除できなかったんだ」という言い訳ができる。
  • Q)それは……「なんでしっかり削除できる機能を作らなかったんだ」って突っ込まれたら大変ですよね?
  • A)だから、削除じゃない情報も時々伝わらなくなって、まぁバランスが取れてるかなぁと。
  • (会場から拍手)
  • C)(開発者の一人として)用語の統一は出来るだけ早くお願いしたい。IDの規範もあったらいいなぁ、と思う。エンドユーザ向けのドキュメント書きを募集中。2ちゃんねらを巻き込みたい。
  • C)先程の「幅優先の全数探索になってしまうのではないか」という話の関連。
    BarkeleyがやっているOceanStoreのアンダーレイのTapestryというネットワークでは、Bloom Filterという古典的な技術を使っている。
    これは、「ここから先にどういう情報があるのか」という情報を100ビットや200ビットに圧縮して流すことで、探索が一通り終わったあとにどちらの深さを取っていくかという選択を確率的に最適化するようなアルゴリズム。そういったものを採用すると良いかもしれない。*4

*1:岩田氏の講演でも触れられていた「P2Pプロトコルである」という言葉はここで公開されていたような気がするのですが、過去ログは無くなってしまったんでしょうか。→(追記)コメント欄のFuktommy氏からの書き込みを参照。

*2:JXTAプロトコルのInternet Draftは時々発表されているものの、今のところRFCになる様子はなさそうです。参考:draft-duigou-jxta-protocols

*3:これは、誰が記事を削除したか(=誰が記事を持っていたか)が周囲の人に分かってしまうから、ということ?→(追記)こちらも、コメント欄のFuktommy氏からの書き込みを参照。

*4:日本語で書かれたBloom Filterの参考サイトは見つけられませんでした。英語ではUsing Bloom Filters(perl.com)あたりが参考になるかと。

NAT越えに関する技術とその仕組み(株式会社ニューロン 須之内氏)

▼勉強会告知での紹介文

STUN・UPnPTeredoTCPのNAT越え等の、NAT越え技術の中でもサーバを介さない通信技術の仕組みを説明する。

▼関連サイト

▼質疑応答

  • C)(TCPのNAT越えで「ルータが4-way handshakeを妨害してしまう可能性がある」パターンの詳細)TCPのNAT越えについては、インターネットドラフトdraft-ford-midcom-p2p(現時点では03)にて「Simultaneous TCP Open」として取り上げられている。そこには、RST受信時にNAT上のマッピングが削除される、またはマッピングの状態が"timeout"状態になるために、ほとんどのCone NATでは失敗するという記述がある。
  • Q)NAT越えしやすいNATを作るよう、メーカに圧力をかける流れはないのか?
  • A)NAT越えしやすいNAT=UPnPなのではないか。UPnP対応機器は増えてきているが、ただしUPnPが全ての機器に搭載されるかは微妙。
  • Q)IPv6になればNATはなくなるはずだが、IPv6の普及についてどう考えているか。
  • A)携帯電話などにIPv6スタックが載ると、そこからIPv6化が進んでいくと思う。または中国がIPv6化することで、その周辺から少しずつ増えていくのではないか。

分散ハッシュの原理とその応用(Tomo's Hotline管理人 Tomo氏)

▼勉強会告知での紹介文

P2Pの研究において最近大きく注目されている分散ハッシュの原理とその応用例について説明する。特に分散ハッシュの導入によるメリット・デメリットについて解説を行う。

▼関連サイト

▼講演内容補足

P2Pとは何か?〜基礎から研究紹介まで〜の、特に以下のページが元になっている講演でした。

▼質疑応答

  • C)複数のDHTリングを持つモデルとしては、Coralというモデルがある。*1
  • C)今回はDHTでVoIPを実装する例を取り上げていたが、ドラスティックにDHTであることを活用したモデルを何か考えられないだろうか? アプリケーションレイヤ・マルチキャストと結び付けると面白いことができるのではないか。*2
  • Q)DHTについて、2つ考えていることがある。
    • (1)キーワード検索ができない
    • (2)信条として、電話やメールは暗号化されていても中継されたくないものなので、DHTはルックアップだけに使い、アプリケーションは別にするのが順当
  • A)
    • (1)形態素解析した単語を全て登録する方法がRinGOchの中で提案されている。効率は悪いので、研究の余地はあるが……。
    • (2)確かにDHTはルックアップだけに使うのが、負荷の面からも望ましい。今回は案1(必ずグローバルアドレスを持つノードを介して通信する方法)で説明したが、案2のUDP hole punchingを使えばそうなる。
  • C)昔読んだ論文で、「英単語を3文字ずつのタプルに分解して全部レジスタした上で、それをどうやって効率的に検索するか」という研究があった(以下は、コメントをされた方から後日頂いた情報)。このあたりはデータベース関係で頭の良い人達が1日24時間研究しているので、心配しなくてもいずれ解決するのではないか。
@InProceedings{ reynolds-efficient,
 author = "P. Reynolds and A. Vahdat",
 title = "Efficient peer-to-peer keyword searching",
 year = 2003,
 month = "June",
 booktitle = "Middleware 2003",
 url = "citeseer.nj.nec.com/541015.html"
}
  • C)(講演者のコメント)DHTの実装は研究領域を脱してないので、実現に耐えられるDHTの実装を考えたり、あるいはDHTを応用したアプリケーションを作成することだけでも国内外からの評価は高いと思われる。

*1:今回のTomo氏の講演では、NAT越えのために2重のDHTリングを用いたモデルを提唱していました。NAT越えのためにDHTリングを複数有したモデルは、コメントをした方も知らないとのこと。

*2:Tomo氏からの補足『詳細は検討してないが、例えば大規模参加型ネットワークゲームなどに応用できると面白いかもしれない。アプリケーション・マルチキャストについては、論文が色々と出始めている。』

Microsoft社MS-DRM9機能概要とNetLeaderでの利用例(NTTコミュニケーションズ株式会社 小柴氏)

▼勉強会告知での紹介文

MS-DRM9の機能概要と具体的導入方法について解説後、各機能をNetLeaderでどのように利用しているかを紹介。時間があれば同社の新DRM技術"RMS"や"DRM10"について解説。

▼関連サイト

▼講演内容補足

  • 講演の主な流れ
    • MS-DRMライセンスの生成方法の解説
    • コピー配布に協力してくれたユーザやプロバイダに利益還元できるようにするために、ライセンス生成直前に条件画面へ誘導する技術がNetLeader(条件画面(Net)に自動誘導(Lead)することから命名
    • わざアリの解説
    • 試作中のパーソナルDRM(仮称)の解説
    • その他の話題
  • 日本の状況
    ホントにMS-DRMは安全なのか分からないから出さない、というお客が多い。わざアリにしても、DRMで映画本編を配布するなんてとんでもないという考え。
  • 時計の管理にDRMの一番の問題がある
    • DRMサーバにはサーバ側とクライアント側で時計がずれていないかチェックする処理が必須。
    • RMSイントラネット内でオフィスのファイルを保護するテクノロジ)では時計の管理が厳しくなりすぎていて、クライアントの時計がずれているとキーホルダが全て壊れてしまうというバグがある。
    • 家電メーカがDRMの一社独占を嫌ってOpenDRMを検討しているが、そこの検討チームでも一番問題になっているのは時計。有効期限を付ける限りは、クライアント側の時計をしっかり管理する仕組みが必要。
  • Creative Commons等の二次利用を助ける仕組み
    現在作っている仕組みでは、フルコントロールの権限が与えられたユーザはDRM保護されたファイルから生ファイルを取り出すことが出来る。(これは今までのDRM技術では不可能だったこと)

▼質疑応答

  • Q)パーソナルDRMを事業化する予定は?
  • A)まだ試作段階のため、事業化の予定はない。他の会社に提供する予定もまだない。
  • Q)DRMRMSでは、どちらの方が設定は楽か?
  • A)RMSの方が設定は大変だが、誰に対しても確実にファイルを見せないように出来る。
  • Q)講演の中で、個人で作ったFlashをパーソナルDRMで配信するという例があったが、「実はFlash職人だったんですね」なんて後ろ指を指されないようにするために、コンテンツの制作者を匿名化するとか、DRMサーバを分散することは可能なのか。
  • A)これは問題でもあるのだが、MS-DRMはサーバの認証を一切していない。そのため、(MS-DRMでは)どのサーバからもライセンスを発行できるので匿名化やDRMサーバの分散は可能。

ビジネスという現実に直面したP2P(アリエル・ネットワーク株式会社 岩田氏)

▼勉強会告知での紹介文

ファイル交換で一躍名を馳せたP2Pだが、いまだにビジネス分野での課題は多い。コラボレーションソフトAirOneの展開の中で遭遇した問題点とその解決策を元に、改めてP2Pのテクニカルな特徴・特性をビジネス分野との親和性の観点から解説する。

▼関連サイト

▼講演内容補足

  • 講演に先駆けて
    P2Pのテクノロジはそこそこ枯れてきているので、そろそろ汚名返上して「(P2Pは)本当に使えるんだ」ということを訴えたい。
  • 「gap1:確実性」のpeek取得
    • エアワンではデータの実態をDoc、そのDocのポインタのリストのことをIndexと呼んでいる。peek機能とは、自分の欲しい情報Docがあるノードにアクセスしたときに、そこのIndexに紐付いているDocを全て取ってくる機能のこと。
    • 「自分の欲しい情報を持つノードには、他にも自分の欲しい情報が存在している可能性が高い」という、ソーシャル的なアプローチを行うための機能。
  • [参考]アリエルプロジェクトA企業版、の詳細についてはアリエルのサイトから資料請求可能なホワイトペーパを参照。
  • 「gap3:セキュリティ」
    • ローカルにデータをバックアップすることについては、大企業のシステム部門に行くと常に指摘される(ノートPCを置き忘れたらどうなる?という問題)。
    • この問題はオフラインでのデータ利用とのトレードオフ。Ariel Frameworkでは期限付きの証明書の更新間隔を短くすれば管理は厳密に出来るが、その分オフラインでのデータ利用はしにくくなる。
  • 導入担当者以外もシステムの理解が必要
    • Web型のグループウェアでは、システムの導入者がそのまま他のユーザに対するサポート担当者になることが多い。
    • 一方、P2P型のグループウェアではサーバが存在しないために、導入担当者がシステムの中心的な人物になりづらく、Web型のグループウェアに比べてシステムの開発元(=アリエル)へのサポート問い合わせが増えた。(24hオンラインのフォールバックノード導入前の話)
  • 最後に
    こうしてみると当たり前のことが多いが、僕らはその当たり前のことに苦労してきた。
    P2Pの研究をされている方はそのまま突き進んで欲しいが、P2Pをビジネスに展開しようと思っている方は一歩引いてクールにP2P技術を見て、ユーザをハッピーにするために本当に効くところにP2P技術を適用する、という視点が必要。

▼質疑応答

  • C)(P2Pで儲かった人はいなかったという話に対して)メディアやドライブのメーカ、WinMXWinnyでの不正行為を煽った出版社など、P2P技術の周辺で儲かった人達はいる。
  • Q)4つのgapの中で、一番大変だったものは?
  • A)エンドユーザーのスキル。
    非常に技術志向でしかも偏りのがある開発体制だったため、エンドユーザーのスキルレベルを軽視しているところがあった。
  • Q)研究で開発したP2Pソフトを社内で導入したいと考えているが、社内の管理部門とどう交渉したら良いか?
  • A)試用期間を設けて事前にトラフィックの推移を計測するなどして、その結果を示すしかない。
  • Q)(C/Sで出来ることはP2Pでやっても意味がない、という話の関連)Web型グループウェアに比較して、P2Pの利点はどこにある?
  • A)イントラ内だけの利用では、あまり意味はないかもしれない。アリエルでは、ASPなどのサービスを利用せずとも拠点間・企業間の通信を実現できる、というメリットにフォーカスしている。
  • Q)P2Pグループウェアを実現したことによるメリットは?
  • A)
    • オフラインでの利用(ネットワーク状況が悪いときにも予定が見られる)
    • 企業間接続(一番売りにしたい点。Webグループウェアの場合だと、どこにサーバを置くかが問題になる)
    • サーバ管理者が不要(会社によってはサーバ管理者が居ない)

謝辞

この議事録の作成にご協力くださったP2P todayの横田氏、Tomo's HotlineのTomo氏、アリエルの岩田氏、そしてSilphiumのながせ氏に感謝します。また、当日お世話になった講演者と勉強会参加者の皆様にも感謝します。当日は楽しい時間をありがとうございました。

今回の勉強会、個人的にはとにかく参加者の多さに驚きました。その内訳は学生から第一線で活躍するイケメン研究者(ジョイトイ?)ベンチャー企業の社長までさまざまで、今回の参加者だけで第4回くらいまでネタが回るような気がしましたけど、さて第2回はどうなるんでしょうねえ……。

参考:[P2P勉強会]次回勉強会の講演について(Tomo's Hotline)
http://toremoro.tea-nifty.com/tomos_hotline/2004/09/p2p.html

最後に、勉強会最初の講演者の方が「次回は法律関係で有名なあの人が声優付きで登場だー!」とかいう妄想を吹聴していたことを、ここに記録しておきます。