旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

分散ハッシュの原理とその応用(Tomo's Hotline管理人 Tomo氏)

▼勉強会告知での紹介文

P2Pの研究において最近大きく注目されている分散ハッシュの原理とその応用例について説明する。特に分散ハッシュの導入によるメリット・デメリットについて解説を行う。

▼関連サイト

▼講演内容補足

P2Pとは何か?〜基礎から研究紹介まで〜の、特に以下のページが元になっている講演でした。

▼質疑応答

  • C)複数のDHTリングを持つモデルとしては、Coralというモデルがある。*1
  • C)今回はDHTでVoIPを実装する例を取り上げていたが、ドラスティックにDHTであることを活用したモデルを何か考えられないだろうか? アプリケーションレイヤ・マルチキャストと結び付けると面白いことができるのではないか。*2
  • Q)DHTについて、2つ考えていることがある。
    • (1)キーワード検索ができない
    • (2)信条として、電話やメールは暗号化されていても中継されたくないものなので、DHTはルックアップだけに使い、アプリケーションは別にするのが順当
  • A)
    • (1)形態素解析した単語を全て登録する方法がRinGOchの中で提案されている。効率は悪いので、研究の余地はあるが……。
    • (2)確かにDHTはルックアップだけに使うのが、負荷の面からも望ましい。今回は案1(必ずグローバルアドレスを持つノードを介して通信する方法)で説明したが、案2のUDP hole punchingを使えばそうなる。
  • C)昔読んだ論文で、「英単語を3文字ずつのタプルに分解して全部レジスタした上で、それをどうやって効率的に検索するか」という研究があった(以下は、コメントをされた方から後日頂いた情報)。このあたりはデータベース関係で頭の良い人達が1日24時間研究しているので、心配しなくてもいずれ解決するのではないか。
@InProceedings{ reynolds-efficient,
 author = "P. Reynolds and A. Vahdat",
 title = "Efficient peer-to-peer keyword searching",
 year = 2003,
 month = "June",
 booktitle = "Middleware 2003",
 url = "citeseer.nj.nec.com/541015.html"
}
  • C)(講演者のコメント)DHTの実装は研究領域を脱してないので、実現に耐えられるDHTの実装を考えたり、あるいはDHTを応用したアプリケーションを作成することだけでも国内外からの評価は高いと思われる。

*1:今回のTomo氏の講演では、NAT越えのために2重のDHTリングを用いたモデルを提唱していました。NAT越えのためにDHTリングを複数有したモデルは、コメントをした方も知らないとのこと。

*2:Tomo氏からの補足『詳細は検討してないが、例えば大規模参加型ネットワークゲームなどに応用できると面白いかもしれない。アプリケーション・マルチキャストについては、論文が色々と出始めている。』