旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

“遅い”ネットワークの方がいいこともある(ZDNN Japan)

http://www.zdnet.co.jp/news/0309/09/ne00_zigbee.html(掲載期限切れ)

ちょっとしたセンサと無線でやりとりする程度なら、それほど高速な無線通信プロトコルは要らないだろうというお話。

例えば、地方自治体の照明担当の部署が、街灯の破損状況を監視しようとしている状況を想像してみよう。その場合、何千もの街灯にワイヤレスの拠点、つまりノードを設置する必要があるため、ノードは低コストでなければならない。そして、そのノードの役割は唯一、ごくシンプルな情報、つまり照明が点いているか消えているかを時折伝えることだけだ。

(略)

IT業界のビジョナリーの間では低出力で低速なネットワークの用途が数多く挙げられており、その範囲は、工場や住居用のサーモスタット(自動温度調節器)から、米国防総省向けの微小な戦場センサー、より効率的な潅漑システムなど、多岐にわたっている。

そして、このような低速のネットワークとしてZigbeeと呼ばれる標準(年内に登場予定)を紹介しています。

Zigbeeのデータ転送速度は20Kbpsと、Bluetoothの約15分の1。Wi-Fiとして広く知られている802.11は、Bluetoothよりもさらに何倍も高速にデータを転送できる。

だが、遅くて速度が固定されているネットワークにも長所がある。もっと複雑なネットワークの場合、ネットワーク上の各ノードはケーブルで接続された高価なハブの範囲内に置く必要がある。だがEmberのような「メッシュ」ネットワークであれば、メッセージもコンポーネントも非常にシンプルなため、各ノードが中継局として機能できる。理論上、この価格ならば各ノードを相互のデータ受信範囲内(約30メートル)に配置することもできる。メッセージは街灯から街灯へと単純に移動し、最終的に本部にたどり着くことになるため、高価なハブやケーブルを用意する必要はない。