旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

ネット通信相手特定へ新技術 総務省、開発へ

http://www.asahi.com/business/update/0724/044.html

これって、どういうのを想定してるんでしょうね……。今さんざんネットオークションとかで起こってるような詐欺を防ぐために、ネットに繋ぐ前にユーザに自己証明させる(=悪いことした奴を追跡してとっ捕まえられる)ようなことを考えているようですが、問題はそれを実現する方法です。

 携帯電話や固定電話では、通信相手の電話番号を表示して相手を特定する機能が普及している。しかし、インターネットでホームページを見る場合、端末を特定するIPアドレスが通信のたびに変わるため、通信相手をなかなか特定できないのが現状だ。
(中略)
 総務省が開発を目指す技術では、ネットワークの途中に専用サーバーを設置し、ICカードなども使って、通信のたびにIPアドレスが変わっても、通信相手を特定できる。

この、IPアドレスの代わりに相手を特定するための識別子って何なんでしょう? あと、それより気になるのは、この識別子は一体どのレベルまで公開されるんでしょう? 普段は隠蔽されていて問題が発生したときだけログにある識別子を追跡に使う……っていうのならいいですが、ユーザ名のようにネットオークションで取引するたびにその相手に開示するようなレベルだと、なんだか必要以上に情報公開させられる気がして気持ち悪いような。

もう一つ気になるのは文中にある「専用サーバ」の内容。オークションサイトのような特別なサイトに接続する時だけ要求される証明書を発行するCAなのか、それとも特別なサイトに接続するためのプロクシなのか。もし後者なら、その後のパケットが全てそのプロクシを経由するようになる=通信の最初から最後まで1つの主体の管理下に置かれることになるので、前者に比べて相当監視の臭いが強くなりますが……。

まぁ、今の段階じゃ何を言っても推測に過ぎないですが、ともかく最終的にどんなものが出てくるのか注意しておく必要がありそうですね。今のネットの持つ匿名性*1が必要以上に侵害されないのを祈るばかりです。

*1:「匿名性」ってのもイロイロ広い意味を持つ言葉ですが、その話についてはまたあとで。