Peerio GNUP
すべてのVoIPソフトに“電話番号”を付けるP2Pソフト「Peerio GNUP」(INTERNET Watch)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/10/20/5054.html
このニュースには驚きました。以前僕が会社で、SkypeがSkypeOutによって収益を得ている仕組みについて説明したら「結局Skypeは既存の通信事業者がいなければ金を稼げない寄生虫のような存在だ」と言われたことがあるのですが、その人の言葉を借りるなら、このPeerio GNUPはまさに「Skypeがなければ金を稼げない寄生虫のようなソフト」です。
Popular Telephony社のニュースリリースを見てみると、Peerio GNUPについて以下のように書かれています。
With GNUP, VoIP software users now interconnect transparently, while other networks users call GNUP numbers using a service provider that supports the Peerio Global Numbering Plan (the list can be soon found at www.gnup.org/connectivity ).
つまり、SkypeやLinphone*1などのソフトフォン自体の機能はそのままで、通話相手を電話番号に似た(電話番号そのものではないらしい)GNUP numberで指定できるようにするのがPeerio GNUP。これによって、ソフトフォン同士がソフトウェアやプロトコルの違いを超えて通話できるようになる、という話なのですが……これって楽して一番美味しいところを横取りしてますよね。
Skypeは質の良いソフトウェアを作ることでユーザ数を増やし、そのユーザベースを元にしてPSTN網(公衆電話網)との接続サービスでお金を稼いだり、名前空間を管理する事で独占的な立場を確立しようとしている(と僕は思っている)わけですが、Peerio GNUPはそこを露骨に横取りしようとしているわけで。Skypeが今後ビデオ機能やらなにやら追加してユーザを増やしても、その収益が全てPeerio GNUPに流れるなんてことになったら、ちょっと笑えないですよ。これは。
まぁ、いくらPeerio GNUPが寄生虫のようだと言っても、ユーザがソフトフォンとは別にインストールする手間はあるわけですし、そもそもPeerio GNUPの詳細がまだわからないので(11月1日からダウンロード開始予定)何とも言えませんけど、今後Skypeが提供する機能――特に公衆電話網との接続機能にユーザが不満を感じることがあると、もしかするかもしれません。
関連:Skypeが来年の提供に向けてビデオ機能を開発中
Skype prepares video over internet service(vnunet.com)
http://www.vnunet.com/news/1158847