旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

“ビジネスありき”のソーシャルネット「uume」(ITmedia)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0408/20/news016.html

人気急上昇中のIT戦士によるuumeの紹介記事です。このuumeは、僕の中で「SNSのメリット」として考えていることと完全に食い違った方向を向いたサービスなので、その動向に注目しています。

ただ、uumeは「GREE」「mixi」「キヌガサ」といった国内の先行ソーシャルネットとは違い、他ユーザーからの招待は不要。登録さえすれば誰でも参加できる。「ユーザー数が少ない時点では、安全性・信頼性を保つのに招待制が役立つ。しかし、数十万人、数百万人が参加する段階になれば、不特定多数が参加しているのと変わらない。招待制の意味もなくなる」(前川社長)。

まず、招待制ではない点。招待制じゃないSNSの理屈としてこういうのがあるのは分かるんですけど、やっぱり「迷惑なユーザがどこから入ってきたか」が分かるのは招待制のメリットとして大きいと思うんですよね。迷惑なユーザの友達関係を辿っていくだけで、スパマーを一網打尽にできるわけですから……。

それとも、招待制を採用しないSNSは、その方針の背後に「スパマーだと分かってもいきなりアクセス禁止にはできない」などの事情があって、「招待制にすると参加ユーザが増えない」デメリットに対するメリットとしてはあまり大きくないと判断しているのでしょうか?

あと、uume独自の特徴として、コミュニティをWeb上に公開する機能があるようです。

コミュニティ管理者の権限により、コミュニティの掲示板やアルバムをuumeのサイト外から閲覧可能にできるのも、他にはない特徴だ。より多くの人に情報発信できるほか、興味を持った外部の人がコミュニティに新たに参加し、情報の質がさらに高まるといった、“正の循環”も期待できる。

これは、僕も以前気付いてびっくりしたのですが、確かにコミュニティによってはuumeへのログインなしに掲示板を閲覧できてしまいます。

例:uumeP2Pコミュニティ
http://uume.jp/octopusjp/club/viewClub.nav?club_id=413

今回のインタビュー記事で一番違和感を感じたのはここです。招待制を取らない理由として「数十万人、数百万人が参加する段階になれば、不特定多数が参加しているのと変わらない」(前川社長)と言っている一方で、uumeに参加しているユーザが提供する情報には一様に価値があるように扱うというのは、妙な話ではないでしょうか? 不特定多数が参加するコミュニティにおいて情報の質を高めたいなら、スラッシュドットが採用しているような何かしらの評価モデルが必須なはずです。全ての情報を均一に扱うのでは、単に「荒らしの少ない2ch」と変わりありません。

それに、情報を書き込むユーザには身分の提示を要求して、情報を閲覧するだけのユーザには何も要求しないというのは、既存の掲示板以上に「ただ乗り」のユーザを増やしそうです。mixiGREEでさえ、あまり盛り上がっていないコミュニティが多いのに……と心配になります。

そんなわけで、uumeには注目しながらも自分ではまだ使う気になれないでいます。ていうか、検索エンジンにひっかかるSNSなんかSNSじゃないやいー!(偏見