旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

理科系の作文技術

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121006240/

最近、職場での文章の書き方に悩んでいたときに、どこかのサイトで*1偶然見かけて購入した本です。

この本では、「この書物では、(中略)理科系の人が仕事のために書く文章で、他人に読んでもらうことを目的とするもの――だけを対象として取り上げる。それらを一括して理科系の仕事の文書と呼ぶことにしよう。(p.5)」ということで、そんな「仕事の文章」を分かりやすく書く方法と心構えを徹底的に説いています。この本自体もその方法に従って書かれているため、1ページも無駄なところがない、非常に内容の濃い本になっています。

言うなれば、一度読めば済むアドバイス集というよりは、仕事で文章を書くたびに顧みて、長い時間をかけて自分のものにしていくべき指標――のような本ですね。とりあえず、理系の社会人や学生(報告書やら仕様書やら、論文やら学会発表やらがノルマの人)は絶対読むべき。僕も学生の頃に読んでおきたかった……。

あと、「理科系」ではない文系の人も読んで損はないと思います。実際のところ、この本は全体の3分の2くらいまでが「自分の伝えたいことを文章にして、なんとか相手に読んでもらう方法」ですから*2

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しかし、この本は初版が1981年(20年以上前!)だというのに、ほんの一部を除けばその内容にはほとんど古さがないのが凄いです。それだけ普遍的なことを書いているということなんでしょうね。

*1:羊堂本舗だったかなぁ……。うろ覚えですいません。m(_ _)m

*2:そもそも冒頭に書かれているチャーチルのメモについての話からして、その対象は事務仕事の報告書ですし。