旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

匿名性についての疑問

最近、ネットワーク上の匿名性について気になり始めてます。

法的問題を危惧するファイル交換ユーザー、匿名サービスに殺到(HotWired Japan)
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030702301.html

例えばこの記事では、ファイル交換目的にFreenetに殺到する(=犯罪行為を隠すために匿名性を求める)ユーザの増加が取り上げられてますけど、こういう人達が求める夢のように完全な匿名性も含めて、現在一般に「匿名性」と言われているものには一体どんなものがあるのか。今後インターネット上で必要とされる匿名性はどんなものなのか、そしてそのような匿名性は一体誰がどんな方法で提供すべきなのか……ということに今更ながら注目し始めているところです*1

で、まぁ自分でもいろいろ考えつつ、ネット上でぐぐって資料探ししてたら、やっぱり考えてる人はちゃんと考えてるもんですねぇ。何度か拝見したことのある高木浩光さんのサイトに出くわしました。

「匿名性」とは何なのか
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20030529#p2

なんかもうこれでOK!ってくらいビシーっと決まってる考えにコメントするのもナニかなぁ……という気もしますが。

ここで語られているように、匿名性の問題の一つとしてあるのが、常時接続の普及によってIPアドレスからある程度の個人特定が可能になってしまうことだと思います*2。特にIPv6なんかが普及したらこの問題は更に顕著になる気がするんですが、IPv6界隈では「IPv6アドレスをユーザの識別に使う」なんてことを平気で言い出す人が結構居て……なんか怖いこと言ってるなぁというのは前から思ってたので、これ読んで「そりゃ普通そう思うよなぁー」とちょっとホッとしてしまいました。

あと、僕は大学時の先輩(匿名電子投票システムの研究をしてた人)の影響もあって、認可可能な匿名サービスが将来的に必要になるんじゃないかと思ってるんですが、これも以下の文章のあたりに関係しそうな気がしました。

匿名性の話をすると、掲示板における匿名性ばかりが注目されてしまうかもしれないが、そのことよりも、電子商取引サイトなどへのアクセスについて、それがあったほうが良いということを言っていることに注意してほしい。(略)

これ以下の(略)の部分で話されている内容はIPアドレスの匿名性の話ですが、実際のところユーザが匿名化されていても成り立つ電子商取引サイトというのもあると思います。amazonのようなサイトでは最終的に商品を郵送する必要があるのでユーザを匿名化しても意味無いですが、例えばオンラインストアウェブマネーを使ってシェアウェアを買うような場合は実世界でのやりとりが生じないので、ユーザを匿名化*3しても全く問題ないはずです。ユーザが匿名化されていても、第三者によってその人がきちんと身元が割れている人だということが証明されていて(=認可に使える)、いざというとき(きちんと料金が払われなかったり、そのユーザのシリアルが出回ったりしたとき)にユーザ本人まで追跡可能ならば良いわけですから。

すいません、まだ全然考えまとまってないんで読みにくいですよね。もうちょっと考えがまとまったら、匿名性の話はきちんと書こうと思います。

*1:この日記を始めたのも、匿名性のことについて気になったのが1つの理由。タイトルも匿名性を意識して付けたんですけど、そのへん透けて見えません?(見えませんか、そうですか)

*2:そういう意味だと、日本の方がAnonymizerみたいなソフトは需要がありそうな気がするんですが……まだまだ平和なんでしょうか。

*3:あとで補足します。ユーザを匿名化する方法として頭の中に今あるのは、ユーザは契約した第三者機関から匿名アカウントを発行してもらい、その匿名アカウントを使ってオンラインストア等のサイトにアクセスするような匿名化サービスです。もちろんオンラインストア等のサイトは第三者機関と提携する必要あり。