旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

Winny開発者、逮捕(ITmedia)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/10/news008.html

京都府警は5月10日、P2Pファイル共有ソフトWinny」を開発し、ユーザーが著作物を違法複製できるようにしたとして、著作権法違反ほう助容疑で東京大学大学院助手の男(33)を逮捕した。

プログラム開発者が著作権法違反のほう助に問われるのは国内初。P2Pソフトの開発者が権利者側から民事訴訟を起こされた例はあるが、「著作権法違反をほう助した」などとして刑事事件の対象になるのは世界的にも極めて異例。

僕が最初にニュースを知ったのはここの記事からでした。一般紙などでも取り上げられたらしく、それらの記事は以下のWikiで網羅されてます(2chのスレ、blogmapへのリンクなどもあります)。

winny_47_arrested(Copy 2ch wiki)
http://www.wikiroom.com/copyright/?winny_47_arrested

ハブになる気もないんで、とりあえずここには僕の個人的な感想だけ書いておきます。

罪状は「著作権法違反幇助」とのことで、まぁ言い分としてはうまいとは思いますが、個人的にこの逮捕は「技術に対する理不尽な圧力」としか感じられません。

もし、これで47氏が有罪になったりでもしたら、新しい技術をインターネット上で試す自由は(少なくとも日本では)ほとんど無くなってしまうのでは? P2P型の掲示板を作成して「誰の規制も受けずにコメントを書き込める」と喧伝したソフト開発者が名誉毀損幇助*1で訴えられ、P2P型の暗号化VoIPソフトを作成して「誰にも盗聴されない」と喧伝したソフト開発者が公務執行妨害*2で訴えられる可能性があるとしたら、全然自由じゃない。法の乱用と、その可能性をちらつかせた卑怯な抑圧です。

この国は一体どこまで技術者をバカにしたら気が済むんだ?

(追記)
弾圧されつつあるダムネットワークという思想(圏外からのひとこと)
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040510

なるほど。こういう風に表現してもらえるとすっきりします。

「多様で可変である人と人との出会い」というものがうれしくない、という人がダムネットワークを弾圧しようとしているのだと思う。

*1:こんな罪があるのか知りませんけど……。

*2:(仮)。どのみち、バカ正直に盗聴法を強化しなくても簡単に抑圧できる。

イタチごっこの終点

P2Pによる匿名ソフトウェア環境fourty-seven(仮)は、匿名のソフトウェア開発者にCVSメーリングリスト、バグ追跡システム、掲示板・フォーラム、タスク管理システム、永久的なファイルの保管、完全なバックアップ、シェル環境、コンパイル・ファームを提供する無料の開発環境です。あなたも日本から世界に通じるソフトウェアを創造してみませんか? ……とか妄想してみたり。「Cコンパイラが先か、Unixが先か」みたいな話ですけど。

ネタとしては面白いかもしれませんけど、そんなソフトが必要な未来はやっぱり嫌だなぁ。