旧・無印吉澤

昔はてなダイアリーに書いていた記事のアーカイブです

P2P網を使ったコンテンツマネジメントシステム(Noras?)

http://d.hatena.ne.jp/wanderingdj/20040604

nora氏による『「P2Pを使ったWeblog」→「P2Plog」ってあったら便利じゃない?』というお話です。ちょっと前からRinGOchの方ではネタ振りしてたみたいですが、とうとう表でも広報活動(?)を開始する模様。

(とりあえずリンク先の方をご覧ください)

P2P(というか完全分散)の健全なメリットを一般の人に伝えるためにも、是非こういうソフトが出てきて欲しいですね。「アプリを導入したユーザに見かえりを」というあたりは、多分メーラやインスタントメッセンジャーRSSリーダのような常時起動するソフトと一体にすることで割と簡単に解決できそうな気がします。RinGOchの場合もチャット機能がかなりのインセンティブになっていると思いますし(←おみくじのためだけにRinGOch常時起動してる奴)。

ともかく単純で「このフレームワークが何に使われるか?私達にも把握できてません*5」てな大時代がかったツールよ、もう一度。

とはいえ、やっぱり最大の問題は「削除不能」をどう解決するかという点になるわけで。

参考:市民の安全を深刻に害し得る装置としてのWinny(高木浩光茨城県つくば市 の日記)
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040516#p1
P2Pの価値とは何なのだろうか(高木浩光茨城県つくば市 の日記)
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040530#p2

この問題はP2Pの問題と言うよりは「匿名性」をどう扱うかという問題なので、ひとまず匿名性は放棄してしまって*1この問題を解決する方法もあるとは思いますが……。それを選択するかどうかは作り手の思想次第でしょうね。

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しかし最近、Winny47氏逮捕以降、P2Pと名の付くソフトウェアを作ろうと思ったら自分の背景となる主張や思想がある程度固まっていないと無理になりつつあるんじゃないか……とよく思います。それどころか、P2Ptodayの横田氏がこういうエントリ(「始まりの終わり」)を書いているのを見ると、P2Pのことを話題にするだけでもそれなりの主張が必要なのか、と、割とのんきに技術的話題だけを取り上げてきた身としては少しショックを感じます。

どうも、ぼやぼやしていると何もできない社会になりそうだ。イヤでも政治を知る必要があるのだろう。

なんて言われても、「まだそんな準備出来てませんよ」って感じてしまうのは僕だけでしょうか……。確かに僕も現状のやり方には明らかに不満を感じますし、CCCDは買わなかったり(つい最近間違えて「テトペッテンソン」買っちゃったりしましたけど)、47氏に募金したり、細かい抵抗はしてますけれど、色々な人が自分のサイトで政治的な話題を堂々としているのを見ると、そこまでの意志はさすがに無いなぁ、と引いてしまうというか。

ネット上で政治的な話をするのが悪い、なんて全然思いませんけど、この流れは一体何なんだろう?と流れから取り残された身でなんとなく喋ってみました。

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(2004-06-06追記)
Noras?にP2Plog話の続きが公開されてました。まだまだ続きそうな予感?

P2Plog話つづき……アイデアはメモれ(Noras?)
http://d.hatena.ne.jp/wanderingdj/20040605#1086432999

*1:犯人を逮捕可能なら、それがある程度の抑止力になるんじゃないかという考え方です。それに、一度公開されたらどうせ誰かのローカルディスクには保存されちゃうでしょうから……。

アップロードにのみ認証があるWinny(ishinao.net)

http://mylog.ishinao.net/id/1224

上の話の「匿名性は放棄してしまって〜」という部分は、このエントリを思い浮かべながら書いていました。

すでにどこかででているかもしれないけど、アップロードにのみ認証があるWinnyライクなP2Pシステムってのはどうだろう。

認証サーバーで登録しないと、アップロードできない。また、認証サーバーに登録することによって、認証サーバー上で各ファイルごとの正式なハッシュコードが管理・検索可能になる。その認証サーバー上に登録された情報を使って、性善説的な課金システムを構築することも可能だろう。

(略)

P2Pでの自由な流通システムと、認証サーバーに登録された正規のコンテンツ以外を流通させない制限とを、ほどよく両立させるのは難しそうだけど、チェックをある程度緩くしてやれば、認証サーバーへの負荷集中をそれなりに抑えつつ、それなりに何とか回らないかな。あるいはチェック用のデータ自体もP2Pシステム上に流すか。

コンテンツの送信者さえ特定できればいいので、受信者の匿名性は確保したままでOKと。ただ、認証サーバを用意するくらいならHTTPサーバ上のWeblogでいいじゃないか!と言われたらどうしようもないので、なんとか他にうまい解決策が出てくるといいんですけど……。